【ライブハウス】京都GROWLYにインタビュー!

インタビュー

京都市中京区。二条駅の近くに位置する場所にライブハウス『京都GROWLY』がある。
2012年に誕生したこのハコはキャパ200人ほどで、関西発のアーティストや地方のツアーバンドで盛り上がりを見せている。

2024年4月からは『高校生入場無料』を実施しており、ライブハウスとして常に新しいことに挑戦している。今回はそんな京都GROWLYの店長の安齋さんにお話しを伺いました。


インタビュアー:たっぴー

ライブハウス紹介

〒604-8416 京都府京都市中京区西ノ京星池町214
アクセス方法:地下鉄二条駅より徒歩二分
TEL:075-366-6369
FAX:075-366-6371  
営業時間:14:00-24:00

インタビュー本編

 京都GROWLYの始まりは2012年3月19日。 どういった経緯で始まったんですか?

安齋(店長)
「前代表がもともと『京都ウーピーズ』っていうライブハウスの店長をやってたんですけどそこが急遽閉店したんですよ。そのあと新しい場所を探すってなってこのビルを見つけて『京都GROWLY』が始まりました。僕は開業時から副店長として働き始めました。」

オーナーさんと安齋さんはどういうお知り合いだったんですか?

安齋
「ライブハウスの店長とバンドマンっていう関係です。僕はずっとバンドをやってて、ウーピーズに企画持ち込んだりイベントを開催したりとかしてたので、そういう部分を見て声を掛けてくれたんだと思います。」

 安齋さんが店長になったのはいつですか?

安齋
「はっきりは覚えてないんですけど、GROWLY開業後2年目か3年目のころです。2015年ぐらい。このビルは1階はライブハウスで2階はリハーサルスタジオ 。あと食堂があったりして店舗が3つあったんです。それまではオーナーが店長兼任でやってたんですけど、それぞれにちゃんと店長を置こうということになって、僕がライブハウスをという流れで記憶してます。」


高校生無料企画はかなり前から。だいたい7~8年温めてきた案件なんですよ。

-4月から高校生入場料無料」というすごく思い切った企画。始めることになったきっかけを教えてください。

安齋 
「高校生無料企画はかなり前から。だいたい7~8年温めてきた案件なんですよ。当時は今みたいにたばこの分煙がしっかりしてないとか。高校生のお客さんも割といて、出演者側の高校生はお金を払うのに、お客さんが無料っていうのは少し問題があるなとか。どうしてもできない理由がいくつかあったので企画を進めることができなかったんです。

でも最近はコロナもあって高校生がほとんどライブハウスに来なくなった。あと喫煙所も別でスペースを作らないといけなくなって、そういう面でもしっかり運営できるなと。それとGROWLYの運営会社が変わって、改革していかないといけないなっていう時期でいろんなタイミングが合ったので始めることになりました。」

 バンドマンの出演料は特に変わらないんですか?

安齋
「変わらないです。今までのような出演者にハコの運営費を担保してもらおうという考え方を変えて、常にお客さんが来てくれる環境になるように投資していった方がハコ・出演者両方にとって良いんじゃないかと考えた結果です。結果が出るまでには2~3年かかるかなと思ってますが。

これはサービスじゃないんですよね。革命です(笑)。サービスって考えると、その資金をどうするのかっていう問題があるんですけど。実際にお金、原価がかかるわけじゃないんで。ただ「いただかない」っていうだけ。2~3年後に環境がどう変わるのかが見てみたいので、思い切ってやりましょうっていう流れで始まりました。」

 この企画でどういう効果を期待されますか?

安齋

「高校を卒業してからもライブハウス常連になる人が増えたり、もしくは将来楽器を持つことになる人を増やしたいですね。特に後者への想いが強いです。演者側もどこかのタイミングで楽器を持ったわけじゃないですか。楽器かマイクかを。今は部屋の中で1人でいろんな音楽を作ることができて、それを発信するインフラも整ってるし音楽制作の世界に入りやすくなってきたけど。やっぱり仲間と集まって音を出して、それを目の前で生の音を感じる、瞬間の共有っていう機会はやっぱライブハウスでしかできないし、そこは守っていかないといけない部分だと思っています。

実際有名なアーティストとか、SNS上で人気のアーティストの良さももちろんあるんですけど、ライブハウスであまりお客さんいない中でやってるアーティストの中にも、すごい良いバンドや音楽が当然あります。1番多感な高校生の時期に生で触れてもらうのがいいなと思っています。」

 高校生で楽器を始めるのが1番多いんじゃないかとも思いますし、そういう広がり方に繋がると凄く嬉しいですね。

安齋

「うん。今出演してるアーティストも、そうやって『将来音楽を始めるかもしれない人』が集まってくると思ったら気を抜けないじゃないですか。なんとなくマンネリ化に悩んだり、いつもお客さんいない中で頑張ってやってるだけじゃなくて、刺激の与え合いができる空間を作りたい。

だからいっそ高校生を無料にしてどんどんたくさんお客さんが来るのが当たり前になってきたら、その効果で良いアーティストもどんどん増えると思うし。お客さんも常にある程度いてくれる状態でアピールができるんで、物販が今までより売れたりして、じゃあその売上でもっとライブをしようとかレコーディングをしようとか、意欲的になっていきやすいんちゃうかなって思ってます。」

 もうすごいブームになりますよ絶対。現在高校生のお客さんはあまり多くないのですか?

安齋
「多くはないですね。正確には分からないですけど。あんまりいない印象です。

高校生のバンドが出る時に友達が来るとか、あとはその高校の部活のイベントの時にその部員とか学校の人が来るとかはありますけど。そういう限られた時に集まってくるっていう感じです。もっと気軽に遊びに来てもらえたらおもしろくなるなと。」

 無料になったらいつでも近所の人いつでも来れるっていう状況になるし、気軽に来てくれる人も増えそうですね。

安齋 
「そうですね。ドリンク代だけで入れますしライブハウスへのハードルはかなり下がると思います。」

– ホールレンタル代についても変更があるようで。

安齋
「はい。ちょっと値下げして新設定しました。」

– この時代に値下げは凄いですね。

安齋

「あと最低保証料金を50%にしました。

もっとアーティストに企画を持ち込んでほしいんです。なかなか最近のアーティストは企画に慎重というか。リリースとかの勝負どころのみになりがちな気がします。企画ってもっと気軽にやっていった方がいいなと思ってるんですよ。

ツアーも何本もやった方がいろんな環境でいろんな人に見てもらえたり聴いてもらえたりできるんで。だからそれを可能にするためにバンド側のリスクを軽減するので、『面白いことやりましょう』っていう提案を込めての半額保証です。」

 イベントや企画を立ち上げたりする方も減ってる傾向にはあるんですか。

安齋 

「減ってるかなやっぱ。地方から来てくれるバンドの数も比較的減ってる印象です。」

 れは僕の年齢でも感じます。

安齋
「うん。ネットでしか出会えないアーティストがいっぱい増えてきて、そっちで十分やれてしまうのでね。ライブを全然しない人も普通にいますし。」

ライブハウスとして何かを成し遂げたいとかはあまり具体的にはありません。イベントやライブを作るのはアーティストとお客さんだと思っているので。

 高校生に向けて何かメッセージはありますか?

安齋
「高校生にあんまり人脈がないんで、本当は直接言ってアピールしたらいいと思うんですけど。そこまでいけてないというか、勇気がないというか(笑)。だから高校生自身や高校生の知り合いがいる人たちにどんどん拡散してほしいなって思ってるんですよ。 後輩とか友達に。高校生が在籍するバンドもいっぱいいるんで、そうやって口コミで広げていきたいなって思ってます。「あ、ここはドリンク代だけで見れるハコ」っていう共通意識として浸透していけばね。ちょっと今日グローリー行こうやみたいな感じで、友達連れて何人かで遊びに来るみたいになってほしいくれたら嬉しいです。」

 でもこれ。関西の高校生にこれから広まっていったら、夏休みぐらいにはすごいことになると思いますよ。

安齋
「そういうことになったらいいなと思います。ご存じだと思うんですけど、やっぱライブハウスって今あまり人がいない日も多いじゃないですか。平日とか特に。で出演者が頑張っても動員できなかったら、いわゆるノルマというものを支払って、なんとか成り立ってるっていう現状がありまして。でもそれはもう飽きてきたなと思って(笑)

もちろんライブハウスに出演するってことは、無料ではできない。そこにはスタッフもたくさん動くわけやし、会場設備も使うことになるし。ただそれをノルマっていうところに焦点を当てて賛成か反対かとかいうのも飽きてきた。

アーティストの負担を少しでも減らせるように今後も考えていきます。」

 ありがとうございます。では最後京都GROWLYとして目指してる理想の箱。『こんなライブハウスにしたい』という想い教えていただきたいです

安齋
「ライブハウスとしての理想とか野心はあんまりないです。ライブハウスって本来勝手に人が集まってきて、集まった人たちが環境を作っていくところやと思っていて。

僕としては、いろんな人が集まってきて自然と良い環境ができれば良い、僕らがすることは「そこに入りやすく・出ていきやすい」自由な環境を作ること。それを一生懸命やりゃいいと思っています。
そりゃみんなが京都GROWLYに出演してほしいし、みんなが遊びに来てほしいっていう気持ちは人並みにはあるんですけど、それよりもアーティストにはいろんなところに行って、もっとライブハウス遊び行ってほしい、知ってほしい。出演してほしい。お客さんもいろんなとこ行っていろんな楽しみ方を知ってほしいっていう気持ちの方が強くて。

つまりライブハウスとして何かを成し遂げたいとかはあまり具体的にはありません。イベントやライブを作るのはアーティストとお客さんだと思っているので。」

– ただただ楽しむ場所を提供することに力を入れているということですね。

安齋
「はい。こっちは楽しんでやれる環境を作るだけです。そのためにいろんな改革や新しいサービスを考えたりはしますけどね!他のライブハウスがやってないこともどんどんやっていこうと思ってるんですけど、それは別に他のライブハウスとは違うとか異色なところって見られたいわけではないです。」

 バンドとお客さんが環境を作る。ライブハウスがすることはただその環境を作りやすく、楽しみやすくすること。そのために『ドリンク代無料』や『高校生無料』企画でお客さんを集めやすくしたり、バンドが出演しやすいようにホールレンタル料を値下げする。」

安齋
「そうですね。ただもちろん一緒に協力していきたい気持ちはあるので、企画も出演もどんどん相談してほしいですね!」

– 貴重なお話をありがとうございました!


イベント・SNS情報

<公式HP>
https://growly.net/

<SNS情報>
X(Twitter)→https://twitter.com/Kyoto_GROWLY/
Instagram →https://www.instagram.com/kyoto_growly/



ではまた!

たっぴー

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