こんにちは。
『with音楽』運営のたっぴーです。
今回は2023年8月21日(月)にリリースされたSEKAI NO OWARIの新曲”ROBO”。
その歌詞について、どこよりも深く考察していきます。
ROBO – SEKAI NO OWARI [公式Youtube]
セカオワの楽曲はいずれも、詞が個性的で唯一無二の世界観を持っていますが、それ以上に曲(サウンド面)で世界観を表現するバンドだと思っています。
しかし今回の”ROBO”を含め、物語調の歌詞で展開する曲も少なくありません。
個人的にはめっちゃ好きなタイプの歌詞。
1番Aメロ 歌いだし
”Ah 僕はまるで動かなくなった ロボットみたいな目をしてる
ハートは錆びてしまった アームをだらんと垂らして座り込む
この胸でいつも動いていた モーターは冷えてしまった”
作詞:Saori
ロボットになってしまった主人公の説明から入る、1番Aメロ。
タイトルにもある”ROBO”も、ここに登場するロボットも。
当然どちらも比喩表現であり、主人公は人間だ。
何かに失敗し、一切のやる気を失ってしまった「僕」。
ロボットのように感情がなくなってしまった。
そんな自己紹介なフレーズだ。
1番Bメロ 愛のため
”アンドゥ押して戻って思い出せるのは 制御不能の負のループ 君との日々
鳴り響くエラー音 Ah 電源まで落ちた そこに愛はあったのにな”
作詞:Saori
「アンドゥ」とは、コンピュータ上で直前に行った処理を取り消すこと。
ショートカットキー『CTRL+Z』のことだ。
つまり、主人公の人生において「直前」までは、上手くいかない嫌なことばっかな日々。そんな中、隣にいた「君」という存在。
君がいる生活に戻るため、タブーであり実際は不可能な行動『時間を戻す』という行為をした影響で体にはエラーが発生。
倒れてしまったのだ。
愛する人の為に、危険を冒す主人公。その代償と「悪意はなく、愛の為」だという切なさが描かれています。
どうでもいいけど、最後の「そこに~」のフレーズ。
某CMのキャッチフレーズを思い浮かべてしまうのは、きっと私だけではないはず(笑)
1番サビ 後悔と苛立ち
”錆びたハート動き出せよ 冷えた胸はあっためて
頭ん中ノイズ消して だってさもう
分かってんだ誰を抱きしめたいなんて 壊れてしまうくらいに I Know”
作詞:Saori
サビでは、タブーを冒してしまったことへの後悔や苛立ちを書いているのだと思います。
ただ、謝罪をして「元に戻してくれ!」と懇願しているのではなくて、『自分の力でどうにかしよう』というエネルギーが感じられます。
2番Aメロ・Bメロ 一番伝えたい皮肉なキラーメッセージ
”Ah 幸せを感じるシステムは君がいないと起動しない ポンコツになったもんだ
欠けてるところだけ指を差す視力検査みたいな世界で よくみんな壊れないなあ”
”アンドゥ押して戻って思い出したのは ノイズ乗った本音と歪なヘルプミー
こんな旧式のセンサーじゃ気付けなかったんだ 君の出したシグナルには”
作詞:Saori
2番。
Aメロの2行目が恐らくこの楽曲に込めたメッセージなのでしょう。
SNSをはじめ、ネット社会に蔓延る悪しき文化。赤の他人の粗探しをし、匿名で悪口を残す。
そんな現代社会に向けて一声挙げてくれたのかもしれない。
Bメロでは、また過去に戻る主人公が描かれている。
2番では、『今、過去に戻ることで気付いたことがあった。でもあの頃の自分には どうすることもできなかった』ということが歌われている。
過去を悔やんでも仕方ない。
今を生きよう。
2番サビ
”錆びたハート動き出せよ センサーは取り替えて
愛ってなんてノイズだらけ だってさもう
分かってんだ何を大事にしたいなんて 壊れてしまうくらいに I Know”
作詞:Saori
分かってるんだ。言われなくても。
自分のせいだなんて。
言い訳をするつもりはない。
だから自分で自分の精神・身体は整える。
他人のせいにせず、自分自身の力で乗り越える。
そんな強い意志が読み取れる歌詞になっています。
Cメロ
”勝手に再生される 僕らのベストメモリー
止めようとしたって止まらなくて
涙が溢れてくる 体の体温が上がってくる Ah”
作詞:Saori
走馬灯のように、過去の思い出が蘇ってくる。
思い出したくもないことまで、頭の中を駆け巡るメモリー。
その中には愛(失恋)もあったのでしょう。
全てを乗り越えて、そして感情を取り戻した主人公。
もう怖いものはない。
大サビ
”錆びたハート動き出して 冷えた胸はあったまって
両目はもう涙だらけ だってさもう
分かってんだどこへ向かえばいいかなんて 壊れてしまうくらいに I Know
オンボロボット 進んでいくよ”
作詞:Saori
ついに心がもとに戻り、前に進んでいける精神状態になった主人公。
「錆びたハート動き出して」→愛を思い出し、再び動き出す。
「センサーは取り替えて」→感情を取り戻した。
「両目はもう涙だらけ」→悲しいという感情を出せる、素直な人になれた。
そしてここからどこに向かって進めばいいかもわかっている。
どうしようもないボロボロな僕(主人公)だけど、この気持ち(失恋?)を乗り越えて進んでいく。
そんな落ち込んでいる、気持ちに負けている人々へ送った、素敵な歌詞だった。
まとめ
セカオワは”不死鳥”や”Error”といった物語調の楽曲が特に好きなんですけど、この曲もその系統でめっちゃ良いですね!
『ENTERTAINMENT』とか、過去作を聴きたくなる。
そんな一曲でした。
ライブで聴きたい。。。
ではまた。
たっぴー
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